昔々、ある山の上に一匹の鬼が住んでいました。 

鬼は時々人里を襲っては田畑を荒らし食糧を奪い、食べ物が無い時には子供までさらっていきました。 

困り果てた村人たちは、一人の高名な陰陽師に鬼退治を依頼しました。

 次の日、陰陽師が村の入り口で待ち構えていると何も知らない鬼がのこのことやってきます。 

「食べ物は用意できているんだろうな?でなけりゃまた子供をさらって食ってやるぞ。」

「そうはさせない。お前が村人を苦しめる鬼だな。退治してやる。」 

陰陽師が呪文を唱えると二匹の式神が現れ、一匹は鬼の片目を潰し、もう一匹は素早く鬼の胴を袈裟斬りにしました。

「ひいい、もうやめてくれ。命だけは取らないでくれ。」

鬼が情けない声で嘆願すると、陰陽師はしばし考え、ある提案をしました。

「この村は毎年のように水害に悩まされている。お前の力で川の流れを変え、橋をかければ許してやろう。さらに、その後も悪しきものや賊共から村を守ると約束するなら、一年に一度村人に食糧を供えさせることを約束しよう。」

そうして鬼は毎日せっせと働いて川の流れを変え、橋をかけ、陰陽師との約束を守ったため村には平和が訪れました。

村人たちは鬼に感謝し、鬼は村人たちにこれまでの悪行を詫びました。

一年後、この村を再度訪れた陰陽師は鬼がすっかり改心したことを認め、自分の娘を鬼に嫁がせた。

それから、鬼と人間はいつまでも仲良く暮らしました。

おしまい

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